ペルシア絨毯の主な産地

「イスファハン」

イラン中西部に位置し、16〜17世紀にかけてサファビー王朝のもとで「世界の半分」とまで称されるほど繁栄しました。イマーム広場やアリカブ宮殿などがその栄華を偲ばせ、イラン随一の観光名所となっています。

イスファハンのウール絨毯は16〜17世紀に完成したペルシャ絨毯の伝統的なデザインをよく守り、現在も繊細な色調と緻密な織りの高品質な絨毯を作り続けています。20世紀半ばには、セーラフィアン、ヘクマットネジャ、ハギギなどの名匠が排出されています。

「タブリーズ」

イラン北西部に位置し13世紀イルハン朝にはペルシアの首都になっています。16世紀のサファビー朝時代には絨毯文化が開花し、歴史的にもっとも価値のある絨毯として名高い「アルデビル絨毯」を初め数多くの名品を作り上げてきました。

位置的にトルコ国境が近いことから古くからヨーロッパとの交易で栄え、その流れで19世紀末にはそれまで途絶えていた絨毯製作を再興し、いち早く輸出向けの絨毯を作り始めています。絨毯にもトルコの影響がみられ、織り方はトルコ結びを用い、堅牢さと緻密さには定評があります。

「クム」

首都テヘランより南西約160劼砲△蝓▲ぅ好薀犇汽掘璽派の聖地です。

絨毯の歴史は1930年代に始まり、歴史の新しいことを生かし各産地の技術やデザインの良いところを取り入れ、斬新で華やかなデザインのシルク絨毯の生産地として有名です。

現在クムには数多くの工房が存在しますが、はじめて100%のシルク絨毯を制作したラジャビアン工房を初め、マスミ工房、ジャムシディ工房、ババイ工房、アルサラニ工房などは老舗工房として有名です。

「カシャーン」

イラン中西部カビール砂漠の西端にあるオアシス都市です。

古くからタイルや絹織物などの伝統工芸が盛んな街で、カシャーンの名はタイルの「kashi」に由来します。

絨毯は16世紀ごろにはすでに制作の中心地となり、多くの工匠が価値ある作品を残しています。

現在では良いウールを使用した実用的な絨毯が多く作られ、イランの市民が最も多く使用している生産地です。しかしシルク絨毯に関しては、生産量はクムには到底及びませんが、高品質なものが作られています。中でもホワイトカシャーンと呼ばれるシャーアッバスデザインを基本とした白に近い色彩の絨毯が有名です。

「ケルマン」

イラン南東部にあり、長い間多民族に支配をされてきた街ですが、サファビー朝の創始者であるイスマイル王の手により再建され、絨毯作りが盛んになったのもそのころからだと言われています。

19世紀には手織りのショールが盛んに生産され、絨毯の柄にもその影響がみられます。特に19世紀後半からラバー村で織られた細かい花を全面に織り込んだヘザルゴル(一千の花)のデザインが有名です。

「ナイン」

イランのほぼ中央部に位置し、それまで毛織物産業が盛んでしたが19世紀末ごろから少しづつ絨毯制作に移行しました。イスファハンに近いこともあり、絨毯にもその影響が多く見られます。

現在はベージュ色を基調とした明るい色調の実用的なウール絨毯が多く作られていますが、ハビビアン工房を代表とする有名工房では高品質なものも織られています。

「ビジャー」

イラン北西部に位置するクルド族の住む小さな町です。「鉄の絨毯」と呼ばれるほどの堅牢でやや厚手のウール絨毯として知られ、土足で使用される欧米では、人気の高い絨毯の一つです。

この堅牢さを保ちつつ、緻密で高品質な絨毯を制作しているタガヴィ工房が有名です。

「マシャード」

イラン北東部に位置するイスラム教シーア派の聖都です19世紀後半から20世紀の初めにかけ数多くの工房が設けられ、アモホリやサベールなどの有名工房も輩出しました。

ホラサン州の高品質のウールを使用し、独特のえんじ色の地を細かい文様で埋め尽くすかのように散りばめた絨毯が代表的です。